春待ち午睡




 眠い。
 眠たい。
 夢うつつに、心地良いまどろみ。
 妨げないで欲しいと思い、けれど、ボクを呼ぶ声も勝るとも劣らず。
 夢かな。
 それとも、また起きた途端に、怒られたりするのだろうか。
 どちらにしろ、選択肢なんて始めからない。
 近付く熱源を引き寄せ、縋り付く。
 柔らかくない。
 でも、柔らかい、気にさせる。
 さらに擦り寄って行く。
 と。
「ぐえッ」
 脇腹を突かれた。
 これは痛い。
 グレッグを引き寄せていた腕を放さずにはいられないほど、痛い。
 痛みのために、冴えてしまった(そして潤んでしまった)目で、膝立ちで見下ろしているグレッグを見る。
 その顔は蒼白だ。
「変な、モノ、押し付けてくるなッ」
 とっても怒ってる風だったので、ボクは謝る。
「ハイ、ゴメンなさい」
 その胸に擦りつけたいなあ、なんて思いながら。





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