口を深く重ねていると、グレッグのほうから舌を絡めてきた。っていうか上手い。そりゃそうか。年上だし経験者だし妻帯者だし。
 このまま放っておくとボクの息が先に上がりそうなので、名残惜しいけれど唇を離す。
「グレッグは何もしなくていいから」
 というかされてしまったら下になるのがボクになりそうな気がする。
 して欲しい気持ちは山々だけど、それはまた次の機会にとっておくことにしよう。まずはボクらの立場を明確にするためにも、大人しくしてもらわないと。
「何か、なんて出来るか……ッ」
 それは好都合。あとでしっかり躾てあげよう。
 ジッパーの引手を歯で噛んでじりじりと下ろす。
 空いている手で足を撫でながら、押し広げていく。
 下止まで下がったところで大きく開いた胸元から手を滑り込ませ、胸のあたりをまさぐる。
 男の胸だけど触って気持ちいい、なんて思うのは相手がグレッグだからだろう。触られているほうがどう感じているのかは、疑問だけど。
 胸を撫でていた指先が、ちょっと他の部分とは違う場所に当たる。まだ全然反応してない様子で触ってもぷにっとしたままだ。
 指先で捏ね回すと、固い感触に変わった。
 気持ちいいって感じの反応は今のところ示してないけれど、やってるボクが楽しいものだから、思い切って口で吸い付いてみた。
「そんなところ舐めんなッ。女じゃねえんだぞ」
 頭上から怒られた。でも止めさせようとはしないから、そのまま無視して続ける。
 ちゅうっと音を立てて吸えば、びくん、と身体が大きく跳ねた。
 意外だなあ、グレッグみたいな、男でも感じるんだ。
「うッ……あ……ッ!!」
 口で胸の突起を弄くり、手はわき腹や背筋をなぞる。
 膝でグレッグの中心をぐりぐり押せば、他の場所に施す愛撫とは比べようもないほどあからさまに身体を震わせた。膝で感じる部分も、熱を帯び硬さが増している。
「ズボン汚れたら大変だから、ね」
「やめ……ッ」
 制止の声を振り切って、ズボンに手を掛け下着ごと引きずり下ろす。
 見れば、ソコは緩く勃ち上がっていた。
「……見るなッ」
「見ないと出来ないじゃない」
 なんだかやたらと可愛いことばっかり言うものだから、つい、意地悪したくなる。
 手でぎゅっとグレッグを握っていきなり上下に擦る。
「…………くぅ……ッ」
 我慢しなくてもいいのに、グレッグは歯を食いしばるようにして声を押し殺す。  反射的に閉じようとする股の間に身体を入れて、顔をソコに寄せた。手で覆っていない先端を舌で刺激し、もう一方の手は腿の内側を撫で擦りながら、
「…………ッ!?」
 まだまだグレッグのモノだって完全に勃ち上がってはいないのに、後ろの窄まりに指を挿れる。
「やめろ……ッ。チャックッ!!」
「ここ、解さないと挿入らないじゃないか」
 しかし、ある程度の唾液と先走りぐらいじゃ全然ダメみたいで、爪だってまだ見えている状態だ。
 もっと濡らさないと無理だろう。
 どうしようかな、と考えていると、またグレッグの声がした。
「……やめ……ッ」
 苛めすぎた、ろうか。
 ちょっと怯えたような声だったので、さすがに指を抜く。
 ボクはグレッグに消えない痛みや恐怖を植えつけたいんじゃない。快楽を覚え込ませるんだ。男に相手だってことに抵抗なんて感じさせないような。
「初めてだってのに、ごめんね」
「……あまり、性急すぎると女に嫌われるぞ」
「グレッグが嫌いにならないなら、いいよ」
 伸び上がって、グレッグの口に軽く唇を落とす。
「ちょっと抵抗あるかもしれないけど、我慢してね」
 再びグレッグの足の間に顔を埋めた。
 手で扱くスピードはさっきよりもかなり速い。同時に口や舌も使って素早く追い詰める。
 じっくり焦らしながらしてあげたかったけれど、使えるものといったらこれくらいしかないし。
「……ン……ッ」
 先走りでぬめって動かしやすくなってきた。グレッグ自身も腹に付きそうなほど反り返っている。
「……んぐ……ッ」
 噛み殺した喘ぎ声がちょっと気に食わないけど、追い詰めた甲斐はあって、どうにか目当てのものは手に入れた。
 びくびくと脈打ち、白い液体を吐き出すグレッグから口を放さず、飲み込まないで堪える。
 勢いがなくなってきてから口を放す。硬さを失ったソレが、ほんの少しだけ白濁を流した。
 大きく胸を上下させて呼吸しているグレッグの力のない両足を左右に広げ、後孔を露にする。そこに顔を近づけて、皺を指で広げながら指をほんの少しだけ内部に入れてみた。
 その瞬間に身体が強張りをみせる。けれど今度は制止の声も掛からなかった。
 我慢して、と言ったボクの言葉が効いてるみたいだ。
 負担をかけない間にそこに口を寄せて、口の中で溜めていた液を流し込む。
「…………!」
 中々入らない。けど、少しでも入ればいい。
 滑りがよくなったのを見計らって挿れていた指を根元まで一気に押し込む。
 前後に動かせば、にちゃ、と粘液が立てる音がする。
 腰が逃げそうになっているけれど後ろに逃げ場はない。グレッグを追うように、ボクも身体を進めるだけだ。
「……う……」
 初めてだし、気持ち悪いだろうと思ってグレッグの中心に手を伸ばす。
 ……あれ?
 触れてみれば、萎えた感じではない。顔を一旦上げると、わずかばかり上向きになっているが見えた。
「……初めてなのに、後ろで感じちゃった?」
 指摘されて初めて気づいたみたいで、グレッグも驚き目を見開いていた。
 今にも声を上げそうなほど、驚いていたものだから隙をついて指を曲げて内部を刺激する。と。
「うあッ!?」
 たまたまいいところに当たったみたいで身体が跳ね上がった。
 慌ててグレッグは自分の口を押さえる。
「もっと鳴いてくれてもいいのにー」
 今日は仕方が無い、諦めるか。
 前は外側を手で擦ってあげて、後ろは内側を指で撫でる。
 動きがスムーズになってきたところで2本に増やす。二本だとちょっと変な形に歪むんだなあと妙な感想と、いやらしいなあと思う気持ちを同時に抱いた。
 にゅぷにゅぷと水音を立てながら、狭い内部を広げるように動かす。
 前にはもう何もしてないのに、グレッグ自身からはたらたらと、また液を零し出していた。
 ……ちょっと、もうボクが耐えられなくなってきた……。
 グレッグは一回イってるからいいけど、ボクはずっと我慢してきたし。
 でもまだ挿入らなさそうだけどなあ。
 とりあえずズボンに圧迫され続けてたボク自身を取り出して外に解放してやる。
 外の空気で少しは冷ませるかと思ったら、だめだ、逆効果だ。
 準備万端、て感じ。
 でも痛い思いさせたら2度としてくれなくなっちゃうかも……。
 早いかなあと思いながらも3本目の指を挿れてみる。かなりぎちぎちだ。けど、なんとか入ったし。グレッグのも萎える様子を見せないし。
 3本の指を飲み込んでいるところを目の当たりにしながら、なんとか我慢する。
 長いような生殺し期間のあと、充分に解れたのを見計らって指を抜いて、代わりに、ぴたり、とボクのソレを押し当てる。
 熱を感じて身じろぎするグレッグの様子を窺ってる余裕すらない。
 一気に中に押し込んだ。
「…………い、アッ!!」
 一生懸命我慢して慣らした甲斐があったみたいですんなりと中に入った。
 こんなに簡単に挿れられるとは思えないほど、ボクのモノをぴったり包み込むような狭さだ。
「ごめ……もう動くよッ」
 耐えていた反動が来たみたいで、早々に抜き挿しを開始してしまった。
 グレッグが嫌がる素振りがあれば、止めようとは思ってたんだけど、そんなこともなく、声は抑えてるけれど下肢をみれば萎えるどころかますます元気になっている。
 なら、遠慮する必要もないだろう。
 グレッグの足を抱えて更に奥まで受け入れるようにする。
 ぬるぬるとぬめる内部から引き抜きながら地面の上にグレッグを倒す。
「……うぁッ……」
 体勢が変わったせいか、グレッグが小さく声を上げた。その上、出すまいとするみたいにぎゅっと入り口を締め付けてくる。
「ちょ……っと、ダメだって、そんなことしちゃったら出ちゃう……ッ」
 ダメだ、堪えろ。ここで出したりしたら、上で責める立場が丸つぶれだ。
 何がなんでもグレッグを先にイかせないと……ッ。でも下手に動くとほんとにボクがイきそうだ。
 どうにか堪えながら、上から一気に奥を穿つ。
「……く……ン……!」
 グレッグもどうやら限界だったみたいで短く唸るような声を出して、今日二度目の放出をした。同時にもっと内側が収縮してボクも続いてグレッグの中にどばっと一気に吐き出す。
 身体全体を細かく震わせながらイく彼の内部に、最後の一滴までも飲み込ませようといれたままにしておいた。





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